こんにちは、Nはしです。
元漫画アシスタントでして、創作関連の発信をしています。
本日は、原稿用紙の使い方です。
↓例として、こんな感じ。本になった時を想定すると、絵を入れる範囲が決まっています。
・POINT
そう難しいことはありませんが、間違えると印刷された時に読みづらい感じになってしまうので、範囲だけ覚えておきましょう。
原稿用紙は、大きさが二種類あります。
同人誌で楽しむならA5、投稿・プロ用はB4の大きいもの。
製本された漫画は、全て今回ご紹介するルールに則ってつくられているはずなので、手元に漫画があったら確認しつつ見ていくと、分かりやすいですよ!
原稿用紙の基本的な知識
・綴じ部分に絵は入れない!
・安全な内側コマ
・ギリギリまで印刷させるコマ
・安全コマとギリギリの合間
・見開きは、真ん中を切ってくっつけよう。
・文字は鉛筆で!
・ベタ、トーンの上に文字が来る時はトレーシングペーパーをつける。
枠線の範囲
漫画がまだここまで普及する前は普通のケント紙に、自分で印刷範囲を計算して枠線を描いていたそうです。
漫画原稿用紙には親切に印刷される範囲のワクが薄く印刷されているので、それを基準にコマを描いていきましょう。
大体こんな感じで、四角形の枠線が何個かありますね。
この枠に沿って、コマを描いていきます。
それぞれ意味があります。
真ん中綴じ部分は、絵を入れちゃダメ
まず覚えておきたいのが、本の綴じ部分について。
本に印刷される時はこんな感じで原稿用紙2ページが並んだ状態で印刷されますね。
↓真ん中赤部分は、原則としてあんまり絵を入れません。
製本された時のこの部分にあたります。
なので
自分が今描いているのがどちらのページか
がめちゃくちゃ重要です。
間違って逆にしてしまうと、アナログでは修正が大変なので、気をつけましょう。
コミックスとか見ると分かると思うので、是非確認してみてください。
絵を入れても割と切れてしまうので、この部分はしっかり開けている作家さんが多いかと。
一般的なコマ(ここの範囲だと、安全確実)
絵を入れるうえで、1番避けたいのが
「自分はここまで印刷されて欲しかったのに、切れてしまった」
パターン。
その心配が1番ないのが↓1番内側の四角形部分です。
ここの範囲に絵を入れておくと、確実に印刷で切れることはありません。
さっきの例でいうと、↓赤部分はここの四角形に沿ってます。
ただ、最近の漫画では、この1番内側の四角形だけを使って作品づくりをしている作家さんは少な目に思います。
比較的古めの漫画(ド○えもんとか)ではここだけでつくられている作品も多かったのですが、今はその頃に比べて、カメラアングルやコマ割りも進化しています。
目立たせたいところはインパクトも大事なので、印刷が切れるギリギリまで絵を入れることも多いです。
今の漫画はコマの周りの空白部分は昔より小さいはず!
これもコミックスをみると確認できます。
紙のギリギリまで印刷する時
紙のギリギリまで印刷してほしい時は、↓この範囲に絵を入れます。
切られる事でギリギリまで綺麗に印刷されるので、切られる前提で大きめに描きます。
これが小さいと、印刷で見えてしまいますので注意。
さっきの例だと、下の赤部分が切られる前提のコマです。
赤部分は印刷はされますが、あまりにフチ部分に重要なものを描いてしまうと、切れてしまう可能性があります。
このあたりは印刷所頼みになってしまうので、重要なものは内側部分に描いておきましょうね。
ギリギリ線までならどこでもOK
↓例の、この赤部分は、紹介した
・内側の安全な部分
・ギリギリまで印刷される部分
この2つの間です。
ギリギリまでは絵を入れなくていいけど、内側の安全部分よりは大きめにしたい。
そんな時にはこんな感じで大丈夫です。
小さめコマ、大きめコマなど、この3種類を使えばメリハリをつける事が出来ますね。
見開きは、綴じ部分を切っちゃおう
インパクトといえば、見開きですね。
2ページに渡っての一枚絵。
最初に綴じ部分に絵を入れないって言ってたけど、どーすんの??
と思いますよね。
見開きの時は、内部コマのところで綴じられる部分を切り取ってくっつけます。
↑この赤い部分を切っちゃって
くっつけます。
具体的にいうと、表側は絵を描くので、裏側だけテープで止めて動かないようにします。
この状態で描けばOKです。
関連記事 カッターの使い方はこちら。刃を折って使おう。
文字指定は鉛筆でする!
投稿の場合、漫画の絵はインクでペン入れしますが、文字はペン入れはしません。
鉛筆で書きます。
読めるように、綺麗な字で書きましょう。
同人誌で、自分で文字を入れてしまう場合は、こちらで提供されているフォントがオススメです。
御琥袮屋 https://okoneya.jp/font/genei-comic.html
平仮名が明朝体、漢字がゴシックという、漫画特有の変わったフォントです。
フリーですが、利用規約があるので、規約を守って利用させて頂きましょう!
ベタ・効果の上に来る文字がある時は、トレペをつける
ベタ(黒く塗る)や、トーンに重なる状態だと上に鉛筆で文字を書いても見えません。
そういう時は、原稿用紙にトレーシングペーパーを重ねてつけます。
トレーシングペーパーは下が透けて見えるので、指定したい場所に鉛筆で文字を書きましょう。
↓こんな感じになります。
これなら文字の指定が見えますね。
原稿用紙の使い方・まとめ
いざ漫画を描こう!と思った時に必要な原稿用紙の決まり事でした。
せっかく面白い漫画を考えられても、原稿用紙の決まりを知らずに読みづらい漫画を描いてしまっては、とてももったいないです。
覚えてしまうと難しい事ではないので、基本として押さえておきましょう!
紙ならどれでも大差ないかなーと思っていましたが、実際使っていると
・インクにじみが出やすいもの
・滑らかで描きやすいもの
など違いを結構感じます。
↓のアイシーが個人的には1番材質的に好きでしたので、オススメしときます。
おそらく一番有名どころの原稿用紙かなと。
B4サイズは、実際に目にすると割と大きくてびっくりするかもしれません。
漫画はかなり縮小されて読者の手に届けられています。