こんにちは、Nはしです。
元漫画アシスタントでして、創作関連の発信をしています。
ベタとは、漫画用語で“黒く塗る”という意味です。
↑指示出しでは、こんな感じのペケマークで示される事が多いです。
「ここ、ベタでよろしくー」
という感じです。
上画像の場合は、髪の部分を黒くしてほしいという意味ですね。
漫画作業としては簡単な部類なので、アシスタントにまず振られる仕事のひとつです。
黒く塗ればいいだけですが、やった事がなければイメージがつかないかもしれないので、塗り方と、それに纏わる処理なども一緒に説明してみますよ。
割とアナログ向けの案内ですが、デジタルでも応用出来るところはあるかと。
○ベタの塗り方
黒くする部分をペンで囲む→塗る
○ベタの処理
ふちをホワイトで抜く
○アナログ注意点
・出来るだけ原稿に触らない
・インクが薄くならないよう注意する
黒くする部分をペンで囲む→塗る
ベタを塗る時は、アナログだと筆ペンを使ったりします。
でもいきなり筆ペンを使って塗ると、範囲が大きいのでキャラクター付近などの細かい部分は難しく、はみ出して潰してしまいやすいです。
筆ペンで潰しそうなところは、ペンで埋めます
細かい部分は筆ペンでは危険なので、キャラクター周りは、一度ピグマやコピックなどで綺麗に囲みましょう。
その後に、広い部分を一気に塗ってしまうと効率が良いです。
アナログだと、↓こちらの筆ペンは細くて、囲みに使いやすいです。
Nはし愛用品。
上のように囲ったら・・
ベタッ。
(一気にベタを塗ります。)
せっかくのキャラクター、筆ペンで潰してしまったらもったいないですからね。
丁寧に囲んであげましょう。
こういう細かいところを丁寧に仕上げると、原稿が綺麗に仕上がりますよ。
神は細部に宿るらしいです。
4.ふちをホワイトで抜く
↓こちらの記事のベタ版になりますが、
キャラクター周りを細くホワイトで抜く手法があります。
キャラクターが黒い髪の時や、服を着ている時はむしろ必須です。
背景とキャラクターの境目を分かるようにするためです。
どういう髪型か謎
これなら分かりますね。
嘘です。ちゃんとやります。
ピシッ!とバックとキャラクターの境目を区分けます。
これなら背景にキャラクターが溶け込む事はありません。
これまた1mmとか2mmとかの作業ですが、やるのとやらないのとでは全然違いが出ますよね。
アナログ注意点
アナログでベタを塗る時に気をつける事としては、2点です。
・出来るだけ原稿に触らない
・インクが薄くならないよう注意する
気をつける方法は、↓こちらの記事で詳しく解説しています。
ベタは、インクが原稿にベタッと大量についている状態ですから、危険度が高いのは見て丸わかりですね。
ベタ部分に手や服を引っ掛けると、周りの絵も台無しになりますし、悲劇です。
こういう場合の修正は、精神的ダメージも相まって結構キツイので、気をつけましょう。
↓もしやっちゃったら、ホワイトを頑張りましょう・・。
すぐには乾きませんから、すぐに隣のコマの作業をするよりも、乾燥させつつ他のページを進めると安全です。
ベタのやり方・まとめ
いかがでしょうか。
ベタは黒く塗るだけですが、インクが乗る部分が広いので、ひっかけて擦ってしまったり、危険性も高いです。
今回紹介したのは、細かいやり方ばかりですが、きっちりやるとかなり原稿は綺麗に仕上がります。
ちなみに、Nはしは割とベタ作業が好きだったりします。
最後にベタを塗ると、一気に原稿が仕上がった感が出て楽しいですよ。
画竜点睛って感じですね。
黒が入ると一気に絵にメリハリが出てきますので、最後の決め作業的な感じです。
綺麗に仕上がった原稿を見るために、是非丁寧に作業してみてください。