コラム

漫画アシスタント的、作画で嘘をつく話。

漫画アシスタント的、作画で嘘をつく話。

こんにちは、Nはしです。

元漫画アシスタントでして、創作関連の発信をしています。

 

パース(遠近法)を理解したうえでが原則なんですが

作画するうえであえて嘘をつく事

があります。

 

作画で重要なのは物語の意図を伝えることです。

なので、作画上の正しさよりも、その絵の印象を優先する場合があるのです。

 

今回は、私があえて嘘をついた例を少しご紹介してみます。

1.デフォルメキャラと階段

パッと見、なんの問題も無いように見えます。

別に嘘をついてないじゃん、と思いますか?

しかしです…

嘘ついています。

 

アシスタント時、基本的に先生が描いたキャラクターだけがいる状態の絵に、背景を合わせて描く事になります。

 

キャラクターに合わせて描くんです。

 

大きさが合っているか、違和感がないかを考える癖がつきます。

 

はい。

この絵、

厳密に、真面目に考えると、このキャラクターが登るには階段の段差が高すぎるんです。

キャラクターの膝くらいまであります。

通常、階段の段差は20cm程度、足首のちょい上くらい。

 

 

でも、このシーンでこの子に合わせて階段を細かくすると、デフォルメならではのダイナミックさは失われます。

 

このシーンはギャグっぽくドーン!という印象が伝わってほしいところなので、そういうリアリティは必要とされてません。

 

そんな意図を汲んで、キャラクターが登れない階段をドドンと描きました。

ごめんね。頑張れ。

 

ちょいリアルバージョン?

というか、実は絵には

“デフォルメレベル”

というものがあるのです。

 

キャラクターがデフォルメされているのに、背景がデフォルメされていないと、見ている方は違和感を感じてしまいます。

 

なので、嘘ですが正解なのです。

デフォルメキャラクターはデカイ階段などものともしない存在なのです。

2.狭い路地

こちらはあまり嘘という嘘でもないかもしれませんが、パース的には本当は違います。

何が嘘なのか?

わかるでしょうか。

 

はい。実は…

 

↓上から見た時のイメージ。

家は平行に建っている想定です。

このように平行の長方形を置いた場合、線は通常一つの消失点に向かいますね。

 

しかし。

消失点を出してみましょう。

消失点が2つありますね。

 

この絵では意図的にそれぞれの建物の消失点をずらしています。

 

あまりに狭いので、一点透視で描くと、かなり建物の角度がキツくなります。

実際描いてみると分かるのですが、少し陳腐な印象の絵になりやすいのです。

 

作画上のパース的には、厳密にはアウトかもしれませんが、人の目で見た時には、逆にこちらの方が自然に見えます。

パースと漫画を描く目的、手品。

パースの厳密さは完全に作家さんによるので、正解というものはありません。

 

管理人としては、パースの正しさよりも、人の目に映った時に違和感があるかどうかという点に軸を置いています。

目的は人が読んで楽しんでもらう事。

 

このサイトでは、人が読んで楽しむ漫画のための背景の描き方を紹介しています。

 

話は少し変わりますが、昔、手品に興味を持って、色々調べていた事がありました。

手品って、結構手の使い方とか、技術が必要です。

パームと言って、手の中にトランプを隠したり、指先を器用に動かして小さなボールを隠したり。

手先を器用に動かせるように練習が必要なんですね。

上手いとか下手とか、あるようです。

 

しかし

一番大事なのは”見せ方”だ

と言っているサイトがあり、すごく印象に残りました。

 

技術がすごくても、見せ方を考えずにトランプを出したり隠したり、技術がすごくても、意外と「へー」で終わってしまう。

 

極端な例だと、マジシャンのマギー司郎さんなんて、技術的には本当にたいした事をしていないのに、なんか笑顔になってしまいますよね。(失礼?)

 

パースは難しめの技術ですが、あくまで読者を楽しませるツールです。

技術は表現に必要なものですが、一番大事なのは自分の描いた漫画で読者に楽しんでもらう事。

 

 正しさを追求して読者に違和感を持たせてしまうのは、本末転倒だとNはしは感じます。

漫画って人間が見るものですしね。

 

なので、パースを理解するに越した事はありませんが、そこに囚われて正しいか正しくないかに執着し過ぎる事もないのではないかと。

 

パースが正しくてつまらない漫画より、間違っててもなんか笑顔になっちゃう漫画でいいと思うのです。

(パースが合ってて面白いのが一番ですけども 笑)

 

 

 

おまけ

スポンサーリンク

-コラム

Copyright© 漫画の背景.xyz , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.